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臨床・研究・教育

臨床・研究・教育

 当院リハビリテーション科では臨床と研究、さらに教育にも力を入れています。これらを大切にすることで、患者さまへのよりよいリハビリテーションが提供できると考えているからです。ここでは当院で関わることの多い肩関節疾患の1つである腱板断裂の保存療法を例にとって、臨床と研究、教育がどのように関係しているのかをご紹介します。

臨床 腱板断裂の保存療法

 腱板は肩甲骨と上腕骨(腕の骨)につく筋肉で棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つがあります。腱板というのはこれらを総称した呼び方です。腱板の役割は腕を挙げる際、上腕骨の頭(上腕骨頭)を肩甲骨の受け皿(関節窩)にしっかりと押しつけ、安定させることです。腱板断裂はこの腱板が単独であるいは複数切れてしまい本来の機能を失うことで腕が挙がらなくなってしまう疾患です。

 一般的には切れた腱板を縫いつける手術が行われますが、諸条件により手術が困難な場合も少なくありません。そのような場合、リハビリテーションが処方されることがあります。いくらリハビリテーションであっても切れたものがくっつくわけではありません。それではどのような理屈で機能回復が得られるのでしょうか?

 腱板断裂の中で無症候性腱板断裂というものが知られています。これは腱板が切れていても何の障害もなく、痛みもなく日常生活を送られている方々です。高齢になるにつれこの割合が高く70歳、80歳代では約半数近くが相当するといわれています。

 無症候性腱板断裂の方々の肩の運動メカニズムは健常者とは異なると考えられます。このメカニズムを解明し、臨床に活かしていくことが腱板断裂に対する保存療法のキーポイントと考えています。しかし、無症候性腱板断裂の方々は病院に来院することはありません。困っているわけではないのですから......

 当院では広範囲腱板断裂(複数の筋の断裂)症例を含めて保存療法が適応になった患者に対し積極的に運動療法を取組んで日常生活活動を改善する取り組みを行っています。すなわち無症候性腱板断裂に変えようという試みです。そこで肩の動かし方や筋肉の使い方など何が変わったのかを検討し、一例づつ積み上げていくことで腱板断裂に対するアプローチの在り方を検討しています。

研究 レントゲンによる肩甲骨動態分析

 腕を挙げる際、上腕骨だけでなく肩甲骨も胸郭(胸から背中にかけて)上で運動することが知られています。肩甲骨が動くということは土台が回転するということです。この肩甲上腕関節(肩甲骨と上腕骨との関節)と肩甲胸郭関節(肩甲骨と胸郭との関節)が協調して運動することで健常者の肩関節は様々な方向に動くことが可能になります。

 肩関節疾患患者ではこの協調的な調節が困難になり、誤ったやり方で回転させます。これが代償運動といわれるものです。代償運動によってそこそこ運動を稼げますが、やはり本来の運動ではありませんので肩関節周囲筋の張りや肩こりの原因にもなります。

 肩甲帯動態分析では腕の拳上角度に応じて複数のレントゲン撮影を行い、各角度毎に骨の動きを分析することで、体表からはわからない正確な肩甲骨の動きを明らかにすることができます。健常者の動きに対して患者さまの運動の特徴を明らかにし、望ましくない動かし方であればこれが習慣化しないよう先手を打つことができます。

研究 筋電図検査

 筋肉が収縮する際、わずかな電気が発します。これを活動電位と呼びますが、体表面からこの活動電位を測定するものが筋電図です。

 運動をおこなうと多数の筋肉が収縮し、その運動を可能にさせます。麻痺や筋力低下がある場合、この筋活動は低下し、良くなれば筋活動も改善します。

 当院ではリハビリテーションの効果判定、問題点の把握の為に筋電図検査を行います。これによりどの筋肉が動作を阻害しているのか? どの筋肉の活動が足りていないのか? どこを抑制してどこを促通すべきか? など、治療のターゲットが明らかになります。また、正常メカニズムの解明を目的に筋電図の基礎研究も行っています。

教育 実習生の受け入れ

 当院リハビリテーション科では各大学や専門学校からの臨床実習、見学実習を受け入れています。実際の症例をはじめレントゲン画像や筋電図の解析も経験してもらい、教科書では分からない多くのことを学び考えてもらいます。実習期間を通して臨床における理学療法士の仕事や治せるセラピスト(理学療法士)の育成として後進の指導に取り組んでいます。

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