待合室


 

山崎豊子の「白い巨塔」が再び読まれているようです。図書館で借りようとしたら、すでに 10 数人の予約が入っており、近くのコミセンの図書室でも順番が回ってくるまで、 2 , 3 ヶ月はかかるといわれました。

「白い巨塔」が出版されたのは、昭和 40 年(雑誌での連載は 38 年から)。医療ミスの裁判を通し、当時の医学界の内部にメスを入れ、医の倫理に迫った問題作として、長い間ベストセラーを続けました。

あれからほぼ 40 年。医療技術は著しく進歩し、医療環境も変わりました。それでも、最近放映されたテレビドラマ「白い巨塔」は高い視聴率を上げ、小説は今なお多くの人に読み継がれています。

読み返してみて、 40 年前の小説とは思えない新鮮さと感動を覚えました。なかでも、「医療事故」の裁判で、夫を亡くした主婦が「患者をちゃんと親切に間違いなく診察したかどうか、それだけを裁けばええのだす」と、難しい医学のやりとりに終始する裁判を批判し、絶叫するくだりは胸に迫ります。

その主婦の叫びこそ、医療の本質を突いたものといえるでしょう。新任職員を迎えての入職式で、岡本豊洋理事長、大賀興一第二病院院長、渡邊晃第一病院院長が訓示の中で、強調したのもこのことでした。 3 人が訴えたのは、「親切」をさらに一歩進めた「癒しの接遇」であり、ミスのない医療でした。

岡本病院は今年、法人設立 50 周年を迎え、HI(ホスピタルアイデンティティ)の開発など、さらにステップアップを図る記念事業に取り組んでいます。その中で「新生岡本病院」の文字も見られますが、「癒しの接遇」とミスのない医療は、「鎮守の森」として、地域に信頼されてきた岡本病院の『不変の指針』として、継承されていくことでしょう。


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