先輩の声

看護師(認定看護師)

【救急看護認定看護師】 保坂 恵里奈

患者・家族にとって一番近い存在として

病気やけがは、時間・場所・年齢・性別に関係なく、突然発症します。
救急の現場ではそのような患者様に対し、限られた情報から患者様の状態を予測した受け入れ準備や急激な病状の変化にもすばやく対応できるように、診療のサポートと看護を行っています。同時に、突然の出来事で不安を抱えた患者様やそのご家族に対して、心理面のサポートも心がけています。

当院は年間5000件を超える救急搬送を受け入れており、その疾病は多岐に渡ります。そのような中、疾病の重症度、緊急度を見極め、迅速性・予測性・的確性を高めながら看護を提供していく必要があります。救急搬送の中でも、幹線道路が隣接しているという立地条件から多くの外傷患者も搬送されてきますが、より重症度の高い外傷においては医師をはじめ、臨床工学技士や放射線技師、薬剤師などのメディカルスタッフとも連携し、チームで医療展開を行っています。

初療は内因性、外因性問わず、軽症から重症の患者様に対し同時に処置や検査が進んでいきます。特に重症度が上がれば上がるほど、危機的状況を脱するために指示や処置がより複数かつ同時進行となりやすく、患者様・ご家族の存在が後回しになりがちになります。そのような状況でも、看護師は誰よりも患者様・ご家族にとって一番近い存在として擁護していく必要があり、そのためにも短い時間の中で信頼関係を構築していくコミュニケーション能力、より確実な看護技術が求められます。

私は救急看護認定看護師として、また一人の看護師として、病状を伝えることができる患者様はもちろんですが、どんなに意識状態が悪い患者様でも、モニターから得られる数値やわずかな身体所見から、苦痛を訴えている患者様の“見えない声”を聴ける存在でありたいと強く思います。さらに、待合室で状況もわからず待ち続けているご家族の不安な気持ちに寄り添い、少しでも緩和できるそんな救急看護を目指しています。

救急センターは看護の入り口です。救急から病棟へ、救急から通院する一般外来へと次につながっていく継続看護の入り口として大切な医療現場だと考えています。
治療を終え自宅に帰られる患者様にも、入院生活を余儀なくされる患者様にとっても、『この病院で治療してもらえて良かった』と思っていただける、そんな看護を提供できるよう部署のスタッフとともに日々努力してまいります。