先輩の声

看護師(認定看護師)

【精神科認定看護師】 江藤 友貴

こころの不調にもいち早く

2005年に当院へ入職し主に外科系病棟を経験してきました。その中で環境の変化によって出現するせん妄や、全身麻酔がリスクとなって出現する術後せん妄を多くみてきました。
 せん妄に対する対応が不十分であると、点滴ルートや術後ドレーンの自己(事故)抜去や転倒・転落などの医療事故につながる危険があります。入院生活において患者さんから不眠や不安の訴えも多く聞かれ、それらが入院生活をしていくうえで障壁となることがあります。精神状態が悪化し、そのことで身体症状が増悪した結果、入院生活が延びることもあります。

近年は精神疾患をもつ患者さんが身体疾患で入院されることや、身体疾患で入院される患者さんの中でも精神症状の訴えを聞くことも増えてきました。総合病院の中でも精神科の役割は重要であり何か自分にできることはないかと考え精神科認定看護師を目指しました。

日本看護協会の認定看護師は21分野ありますが(今後は19分野)、精神科認定看護師は日本精神科看護協会が主体で当院では初の認定分野となります。コロナ禍で研修がすべてオンライン授業となり目指し始めてから4年かかりました。時間がかかった分、病院にも負担をかけてしまいましたが手厚いサポートを受け今があります。全てが一からのスタートなので基盤作りから始めていきたいです。当院には精神科リエゾンチームがあります。入院中の患者さんの精神症状悪化の予防や症状の軽減を図るために多職種で連携しています。患者さんを身体的・精神的・社会的側面からアセスメントし全人的にケアすることで心身共に回復できる一助になればと考えます。身体面だけではなく、こころのお手入れも必要です。こころの不調にもいち早く気づき、改善できるような関わりができるように頑張りたいと思います。