診療受付
8:00〜12:00
診療開始
9:00〜
休診日
日・祝・年末年始(12/30~1/3) 救急・急患は24時間365日対応

救急・急患は24時間365日対応

0774-48-5500

診療科・部門

ホーム診療科・部門診療科 > 泌尿器科

泌尿器科

低侵襲手術支援ロボット da Vinci Xi

ダビンチ

ダビンチ サージカルシステム
ダビンチは従来の腹腔鏡手術と同じようにいくつかの小さな切開部を作り、医師の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を動かして手術を行う内視鏡手術支援ロボットです。ダビンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現することが可能です。
部長である山田恭弘は、日本泌尿器内視鏡学・ロボティクス学会認定のロボット支援手術プロクター(手術指導医)の資格を有しております。また、読売新聞「病院の実力」に掲載されておりますが、京都府内でも屈指の手術実績を誇りますので、安心して手術を受けて頂くことが可能です。
前立腺がんに対するダビンチ手術
担当医師より 前立腺がんの場合、早期(限局性)であれば、手術で根治をめざします。 ダビンチでは人間の手より大きな可動域と手振れ補正により、精緻で、より正確な手術が可能です。前立腺がんの手術では、手術後に尿失禁や性機能障害(勃起障害)が起こるリスクがありますが、ロボット支援手術ではこのリスクを軽減でき、機能温存が期待できます。もちろん従来の手術同様、ロボット支援手術にもリスクはあり、放射線治療や内科的治療が適している場合もありますので、事前の充分な検討が重要です。前立腺がんと診断されたらロボット支援手術の対象となるか、一度ご相談ください。
腎臓がんに対するダビンチ手術
腎臓がんの手術には腎摘除術(全摘除術)と部分切除術があります。腎部分切除術は、腫瘍とその周囲の部分のみを切除して腎臓の機能を温存する方法で、小さな腎臓がんに対する治療法です。腎部分切除術では、腎臓の血流を一時的に遮断し腫瘍を切除します。血流遮断の時間が長くなると腎機能が低下しやすくなりますが、ダビンチを使用することで、通常の腹腔鏡手術よりも正確な手術操作を素早く行うことが可能となり、腎機能の温存につながります。腎臓がんと診断されましたら、一度ご相談ください。
膀胱がんに対するダビンチ手術
浸潤性膀胱がんに対するロボット支援根治的膀胱摘除術は、従来施行されてきた開腹手術に比べて、小さな傷口で施行することが可能であり、手術後の痛みも軽く、回復が早くなります。さらに出血量が格段に少なく、入院期間も短いなど多くの利点があります。
また、当院の特色としては、体腔内尿路変更法(ICUD)を行っていることです。ICUDは、膀胱全摘を行ったあとに開腹をせずに回腸導管などの尿路の通り道を作成する方法です。開腹して行う体腔外尿路変更法(ECUD)とは異なり、腸管が外気に触れないため、浮腫みにくくなり術後の腸閉塞が減少します。技術的には難易度が高いですが、当院では多くの症例をICUDで施行しております。
腎盂尿管がんに対するダビンチ手術
腎盂がんおよび尿管がんに対して行う、腎臓と尿管を膀胱の一部を含めて摘出する手術です。ロボット支援手術は2022年4月に保険診療の適応となりました。これまでの標準術式である腹腔鏡手術ではできない繊細な操作が行えますので、より低侵襲かつ安全性の高い手術を目指し、ロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術を行っています。

前立腺がんの確定診断に MRI-超音波融合生検

前立腺がんの確定診断に必要な前立腺生検ですが、従来行われてきた方法では、がんの見逃しが多いことがわかっています。当院では、より正確な前立腺生検を可能とするMRI-超音波融合生検を施行しております。このシステム(仏国コエリス社 トリニティシステム)を用いることで、がんの検出率が増加しますので、見逃されたがんが進行することを回避することが可能です。


部長である山田恭弘は、京都府立医科大学在任時より、MRI-超音波融合生検に従事し、複数の論文を執筆しています(下記 論文1-5)。また、MRI-超音波融合生検に関する研究成果により、日本泌尿器科学会における最も伝統と権威のある学術奨励賞である坂口賞を受賞しております。これまでの経験を生かして、地域医療に貢献したいと考えております。


論文

  1. 1.Magnetic resonance imaging/transrectal ultrasound fusion-targeted prostate biopsy using three-dimensional ultrasound-based organ-tracking technology: Initial experience in Japan. Yamada Y et al. Int J Urol. 2019 May;26(5):544-549.
  2. 2.Phase I study of cancer lesion-targeted microwave coagulation therapy for localized prostate cancer: A pilot clinical study protocol. Yamada Y et al. Contemp Clin Trials Commun. 2019 Oct 12;16
  3. 3.Magnetic resonance imaging-guided targeted prostate biopsy: Comparison between computer-software-based fusion versus cognitive fusion technique in biopsy-naïve patients. Yamada Y et al. Int J Urol. 2020 Jan;27(1):67-71.
  4. 4.Moving away from systematic biopsies: image-guided prostate biopsy (in- bore biopsy, cognitive fusion biopsy, MRUS fusion biopsy) -literature review. Yamada Y et al. World J Urol. 2021 Mar;39(3):677-686.
  5. 5.Focal salvage low-dose-rate brachytherapy for recurrent prostate cancer based on magnetic resonance imaging/transrectal ultrasound fusion biopsy technique. Yamada Y et al. Int J Urol. 2020 Feb;27(2):149-155.


前立腺肥大症に グリーンライトレーザー

前立腺肥大症の内視鏡手術

前立腺肥大症の治療では、内服薬で十分な効果が得られない場合、内視鏡下切除術を行います。お腹を切らずに尿道からカメラを挿入して前立腺の肥大した部分を切除する手術です。内視鏡手術には、いくつか種類がありますが、特に注目されるのが、当院が2021年に導入したグリーンライトを用いる光選択的前立腺蒸散術(PVP)という手術です。

グリーンライトレーザー
© 2021 Boston Scientific Corporation. All rights reserved

グリーンライトレーザーPVPの特徴
従来多く行われていた「経尿道的前立腺切除術(TUR-P:電気メスを使った内視鏡手術)」に比べ、グリーンライトレーザーでのPVPは下記の特徴があり、患者さんへの負担がより少なくなっています。
  • 出血が少ない
  • カテーテル留置期間が短い
  • 入院期間が短い
  • 抗凝固剤、抗血小板剤などを服用中の方でも、薬を中断することなく手術が可能
  • 手術後の合併症(腹圧性尿失禁や、性機能障害)が少ない
  • (※一般的なTUR-Pとの比較であり、症例によって異なりますので詳しくは医師にご相談ください。)

当院が導入した機種は最新式で、日本全国で25施設にしか導入されておりません(2021年11月時点。メーカー調べ。)。従来の機種では対応が困難であった大きさの前立腺にも対応可能です。抗凝固剤、抗血小板剤などを服用中で、手術をあきらめていた方も、一度ご相談ください。

Youtubeで見る



小さな膀胱がんも見逃さない 光線力学診断(PDD)

膀胱がん 再発の原因の1つは「見逃し」

表在性膀胱がん(膀胱表面の粘膜にとどまり、膀胱の筋層には広がっていないがん)は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT:尿道から内視鏡を使って切除する手術)で切除することが可能です。しかし、表在性膀胱がんは高い確率で再発することが知られています。再発の原因の一つとして、手術時の小さながんや平坦ながんの見逃しがあります。

見逃さないための技術 光線力学診断(PDD)
通常のTURBTでは、白色光のライトを用いて腫瘍を切除しますが、白色光では見えないがんが膀胱内に広がっていることが多々あります。この“見えない膀胱がん”を見えるようにするための新技術が「5-アミノレブリン酸 (5-ALA)を用いた光線力学診断(PDD) 」です。
5-アミノレブリン酸と呼ばれる薬剤を服用し、手術時に青色の光を発する膀胱鏡を用いることで、がんを赤色に蛍光発光させ可視化することが可能になり、平坦な病変(図1)や微小な病変(図2)の検出に役立つことが確認されています。京都岡本記念病院では、光線力学診断(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。


平坦ながんのケース(図1)

小さながんのケース(図2)

放射線性出血性膀胱炎に対する高気圧酸素療法

婦人科領域(子宮など)や泌尿器科領域(前立腺、膀胱など)のがんに対して放射線治療を受けられた方で、治療終了して6か月以上経過した後になって生じる副作用(晩期障害)に放射線性出血性膀胱炎があります。放射線性出血性膀胱炎は、血尿を繰り返す難治性の膀胱炎です。放射線が照射された組織は治りにくくなっているため、自然に止血されないことや、いったん出血(血尿)が止まっても再発を繰り返すことが多くあります。この再発予防目的にて高気圧酸素治療 を行うことが推奨されており、健康保険も適応されます。
当科では放射線出血性膀胱炎に対して、高気圧酸素療法を積極的に行っております。基本的には、外来通院で治療をしておりますが、遠方で通院困難であれば入院での治療も可能です。


当科の特色・概要

泌尿器科について
尿路悪性腫瘍(がん)、排尿障害、尿路結石症などの診断・治療を中心に診療しています。また、京都府立医科大学泌尿器科学教室と連携し、ロボット手術、MRI超音波融合生検など最新の治療法も積極的に取り入れています。
診療にあたっては、ひとりひとりの患者さんに最新・最善の医療を提供し、地域に根ざした診療科となるよう心がけています。

対象となるおもな疾患

  • 悪性腫瘍
    前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、腎盂尿管がん、精巣がん など
  • 前立腺肥大症
  • 排尿障害全般
  • 尿路結石症
  • 尿路感染症 など

以下は取り扱っておりません。ご了承ください。

  • ED(勃起障害)、仮性包茎の包皮切除術などの保険外診療
  • 不妊治療
  • 避妊手術としてのパイプカット(精管結紮切除術)

外来診察日

外来診察医師担当表をご覧ください

担当医師(常勤)

  • 山田 恭弘 部長
    山田 恭弘 部長(医局統括)
    資格など
    • 医学博士
    • 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医
    • 日本泌尿器科学会泌尿器科指導医
    • da Vinci支援手術教育プログラム修了
    • 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
    • 日本内視鏡外科学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
    • 日本泌尿器内視鏡学・ロボティクス学会 ロボット支援手術プロクター (膀胱・前立腺・副腎・腎)
    • 日本泌尿器内視鏡学・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定制度認定医
    • 日本緩和医療学会研修指導医
    • 京都府立医科大学 臨床准教授
    • 京都府立医科大学卒
    専門分野
    ロボット手術 、腹腔鏡手術、泌尿器悪性腫瘍
    研究課題
    MRI超音波融合前立腺生検
    医師からひとこと
    丁寧な説明を行い、最良の医療を提供いたします。
  • 堀田 俊介 副部長
    資格など
    • 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医
    • 日本泌尿器科学会泌尿器科指導医
    • 京都府立医科大学卒
    医師からひとこと
    地域の皆さんが安心して受診いただけるよう尽くします。よろしくお願いいたします。
  • 小田 裕太郎 専攻医
    資格など
    • 京都府立医科大学卒
    研究課題・専門分野
    泌尿器科全般
    医師からひとこと
    1人1人に誠心誠意向き合い、より良い医療を提供できるよう努力してまいります。よろしくお願いします。

診療実績

手術(検査)名 2021年度 2022年度 2023年度
ロボット支援前立腺全摘術 0 45 75
前立腺生検 113 144 167
膀胱全摘除術(ロボット支援) 0 1 17
膀胱全摘除術(開腹) 0 2 0
経尿道的膀胱悪性腫瘍手術術(TUR-Bt) 54 76 71
腎(尿管)悪性腫瘍手術(ロボット支援) 0 3 18
腎部分切除術(ロボット支援) 0 0 6
腎(尿管)悪性腫瘍手術(腹腔鏡下) 15 13 6
グリーンライトレーザー(光選択的前立腺蒸散術) 18 27 25
経尿道的尿路結石砕石術(TUL) 56 59 41
体外衝撃波結石砕石術(ESWL) 41 64 58
腹腔鏡下副腎摘除術 3 2 2